産業革命前の農民は自ら栽培した同じ穀物ばかり食べざるを得なく、栄養的に偏っていて味覚的にも貧しく、労働時間もはるかに長い。人口密度が高く定住しているので、人間や家畜の排泄物や農業廃棄物、肥料などに取り囲まれる不潔な環境に閉じ込められ、移動による気分転換もできず、集団内の上下関係も厳しく精神的にも不安定である。
しかし、土地面積当たり人口支持力は、農業の方が狩猟採集より数百倍高い。なぜ、約1万年前に狩猟採集から農業に移行したのかについては様々な説あるが、大方の説は狩猟採集民が農業に魅力を感じたからではなく、人口圧力の高まりや環境変化で農業に追い込まれたと考えている。
一旦農耕が始まると、農民は狩猟採集民より人口が圧倒的に多いので、両者間に争いがあれば常に農民が狩猟採集民を駆逐した。過去1万年の人類史は極論すると、いわば悪貨(農業)が良貨(狩猟採集)を駆逐したグレシャムの法則史ということになる。農業社会は人口増加率が高く、常にマルサスの罠にはまり、生活水準はほとんど常に限界的なものになった。
なぜ狩猟採集社会は人口増加率が低かったのかは様々な説があるが、移動生活によって幼児の授乳期間が平均3年以上にならざるを得ず、結果母親の生理機構から、出生間隔が最低4年以上であったことも要因とされている。
"— 先進国ではなぜ、少子化するのか:日経ビジネスオンライン (via jinon) (via otsune)



